デジタルマーケティングはプラットフォームが淘汰される時代へ
Kenshoo Asia Pacific & Japan マネジングディレクター 今村幸彦

デジタルマーケティングをとりまく環境はますます複雑になり、消費者はさまざまな情報の中、ひとつの情報に一瞬ですら集中できなくなってきています。

これに伴い新しい広告手法や、マーケティングテクノロジーの急増により、マーケティング責任者たちがどのテクノロジーを選べばよいか困惑するのも無理はありません。それぞれのソリューションは似て非なるものであるのに反して、どれも同じような言葉で説明がなされているからです。
マーケター(広告主、代理店の皆様)は、複雑で煩わしい仕事を自動化し、できるだけ少数の限られたテクノロジーとの取引で効率よく仕事をしたいと思っています。
これは困難極める課題です。膨大なデータを管理し、増加するオンライン上での消費者のアクティビティーに常に目を配らなければならない一方、費用も厳しく管理しなければならないマーケターにとって、ニーズを最も満たすテクノロジーを探し当てないといけないのです。

一方、消費者は彼らにとって有益な情報しか求めていません。また、 デジタルというひとつの世界を見ており、どのデバイス、どのチャネル(検索エンジン、オンラインメディア、ソーシャルメディア、アプリ等)を使っているかに関係なくその時点で価値のあるものしか受け入れてくれません。
マーケターは、これらの消費者の新しい行動を理解し、日々の膨大なデータ量をもとに様々なチャネルにおいて効果の高い広告を効率的に運用できるテクノロジーを求めています。

人々が日々最も行うオンライン行動の一つに、 興味あるものを買うかどうか決定するための検索とソーシャルメディアのフィードチェックがあげられます。

様々な運用型広告の中でもリスティング広告は、その長年の実績から信頼され、効果も実証されています。検索行動は、今日においても消費者の意向をとらえる上で、最も信頼できる確度の高い情報と言えると思います。
これに加え、属性を細部に設定できるFacebookを始めとするソーシャルメディア広告の隆盛、GoogleのPLA広告、アプリ内行動分析、モバイルへの最適化等、データは加速的に増えており、日進月歩で変化するプラットフォーマーの仕様の変更についていく事が最も大きな課題ととらえます。

今後マーケターは、個々のチャネルで完結することなく、チャネルをまたいだ消費者に効率よく到達することが最大のニーズとなってくると考えます。最初にこの統合的アプローチを採用し始めたのは、米国の旅行業界、オンライン小売業者、自動車業界、そして、E-コマースプレイヤーでした。検索とソーシャルメディアの相互活用がダイレクトリスポンス以上の価値があることに気づきました。検索を軸とした消費者の購買意向の補足がモバイルを中心としたソーシャルメディアでの意向促進に大きく貢献しているのです。

最適化の課題は今や検索やソーシャルだけでなく、デスクトップとモバイルを横断した運用管理へと移行します。これはすべてのチャネルがひとつのテクノロジーに統合されて始めて実現できることなのです。

チャネルを越えて統合的に運用することで、一消費者の視点で有益な情報を最適なタイミングで消費者に提供することが可能になります。また、デバイスとチャネル間の予算をいかに配分するか、運用を通じてどう変えていくかという事を実現できます。ソーシャルメディアのキャンペーンを通じて、リスティングキャンペーンを改善することでCTRの改善やコンバージョンコストの低下がはかれることなどがすでに証明されています。

利用すべきチャネルが増えるにしたがって、マーケターはより多くのことをより少ないプラットフォームで達成することを求めます。チャネルを問わずすべてのデジタル広告が運用型に向かっていくにしたがい、マーケターは「常時アクセス可能」の状態で、日々最適化を行い、継続的なテストを行っていくことが求められる時代となりました。管理コストを下げつつ、広告活動からの最大のリターンを得ることを可能にするテクノロジーこそが最後に残された勝者となることは間違いないでしょう。